猫の鶏の骨の誤食、胃切開

鶏の骨は噛み砕くと縦に裂け、口、食道、胃腸とあらゆる場所を傷つける可能性があります。今回、猫ちゃんがケンタッキーフライドチキンの誤食で胃腸切開、摘出を行いましたのでご紹介いたします。

1歳の猫ちゃんがケンタッキーフライドチキンを食べたあと、何度も吐いているということで来院されました。レントゲン撮影をすると、鶏の骨らしきものが胃の中に確認されました。

横のレントゲン

横のレントゲン

横のレントゲン拡大

横のレントゲン拡大

形より、丸呑みというより噛み砕いていること、内視鏡による摘出だと食道などを傷つける可能性があることから開腹し摘出することにしました。

切開した胃から鳥の骨を摘出

切開した胃から鳥の骨を摘出

胃の中には、猫ちゃんの胃の幅いっぱいに骨がはまっていました。先端は鋭利になっており、胃も充血していました。

摘出後、切開部を二重に二重に縫合

摘出後、切開部を二重に縫合

胃を二重に縫合したのち、腸にも骨片などが詰まっていないか確認しました。

触ると硬い異物がある

触ると硬い異物がある

すると、小腸の一部に充血し、硬い異物が触れる箇所がありました。前後にも移動しない大きさのため、切開し、中身を摘出しました。

左が小腸内の骨片、右が胃内の骨

左が小腸内の骨片、右が胃内の骨

噛み砕いた骨の一部が、腸の途中で閉塞していた様でした。こちらも縫合し、お腹を縫って終了です。

切開、異物摘出後縫合したところ

切開、異物摘出後縫合したところ

2日の絶食ののち流動食から始め、問題なかったので5日で退院しました。誤食は食べてしまうのは一瞬ですが、診断、治療はとても大変で命に関わることもあります。家族みんなが協力して、ワンちゃん猫ちゃんが食べてしまいそうなものを片付けておく必要があります。

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