犬の不正咬合、犬歯生活歯髄切断
前回の投稿で、生後10ヶ月までには乳歯晩期残存や、不正咬合の治療をしましょうと伝えしましたが、成犬の場合はどうしたらよいか?という課題があります。この写真のトイプードルちゃんはすでに避妊手術や去勢手術を終えておりますが、右の下顎の永久歯が内側に入り、上顎に大きなくぼみを作ってしまっています。
この子の場合は、上下の顎の真ん中(正中)があわないクラス4の不正咬合で、ライバイトと呼ばれます。
このような場合は矯正は難しく、飼い主さんと相談し下顎の犬歯をカットして、上顎に当たらないように処置しました。
下顎切歯の高さくらいで犬歯をカットし、その後切断面の歯髄を保護するために処理、コンポジットレジンを充填しました。
写真の通り、口を閉じても上顎に当たらなくなりました。わんちゃんの噛み合わせは、意外と飼い主さんは気にされていない、かかりつけ医さんも気づいていない事が多いのが現状ですが、早期の処置でわんちゃんの生活を楽にさせてあげることができます。噛み合わせで気になる事があれば、いつでもご相談ください。
※2022年3月以降、根管治療はすべてラバーダム防湿を実施しております。