犬の肺腫瘍

トイプードル12歳のわんちゃん。おっぱいにしこりができたとのことで来院されました。この子は5年弱前に当院で右後ろの乳腺腫瘍摘出と避妊手術を行なった子でした。当時の病理検査では良性の乳腺腫瘍でした。今回は左の一番後ろのおっぱいの近くだったので、前回摘出した側の反対側に位置します。1cmほどの大きさで、針を刺す細胞診で乳腺腫瘍との診断でしたので、当院で全身麻酔下で摘出するための術前検査を行いました。胸部レントゲンを撮ると、肺の左後に丸い白い部分が確認されました。

横から見た画像。赤い矢印で囲んだ丸い部分が腫瘤

仰向けの画像。赤い矢印で囲んだ部分が腫瘤。肺の左、後ろ側に存在することがわかる。

単独で丸い結節を作る病変は、腫瘍(がん)、膿瘍、肺炎などがありますが年齢的にも腫瘍の可能性があり、また乳腺腫瘍の転移の可能性も否定できないため二次診療施設でCT検査を受けてもらいました。

CT画像。単独の白い丸が腫瘤 画像提供:日本小動物医療センター

孤立性であり切除可能と診断されました。画像提供:日本小動物医療センター

検査結果から総合的に肺の左肺後葉の孤立性腫瘍の可能性が高く、摘出可能な範疇という結果でした。飼い主さんと相談の結果、開胸手術で腫瘍を摘出してもらうことになりました。同時に乳腺の腫瘍も摘出してもらうこととしました。結果、無事に手術は終わり、肺の腫瘤は「肺腺癌」という結果でした。そして乳腺腫瘍は「乳腺腺癌」でした。いずれも完全摘出でその後の追加治療の必要はないとのことですが、経過観察は当院で続けます。

肺腫瘤切除の手術後。当院で抜糸は行った。

同様に内股の左乳腺腫瘍摘出部位の抜糸。

今回の件はレントゲン撮影からCT検査、外科手術まで非常にスムーズであったことがポイントです。悪性の腫瘍は転移や進行で、様子をみていると外科で対応できなくなることが多々あります。高齢であればあるほど腫瘍の発生率はあがり麻酔リスクもあがりますが、早期発見早期治療で無事日常を取り戻すことも可能です。当院は大学や二次診療施設と連携し、高度医療なども実施しております。ご相談ください。

 

 

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