パグ(短頭種)の鼻孔狭窄拡張術(外鼻孔狭窄症)
パグ、ブルドッグ、シー・ズーなどのいわゆる鼻ぺちゃな犬種の子は、生まれつき鼻の穴が狭く、呼吸がしづらくなることがあります。鼻から強く吸引することで気道に過剰な負荷がかかり、のどの奥の軟口蓋という部分も腫れ、呼吸困難やチアノーゼ、睡眠障害などを併発すると、いわゆる短頭種気道症候群という状態になります。これらは熱の発散も妨げるため熱中症のリスクも上がります。
これらは進行性の症状ですので、もし若いうちから鼻の穴の狭さがわかっているときには、手術で鼻の孔を広げるという選択肢もあります。そうすることで、鼻から吸引するときの負荷を軽減し、症状の緩和が期待できます。また、軟口蓋の腫れもある場合は同時に数ミリ切除する軟口蓋切除術などもあります。
今回の症例は、生後半年のパグちゃん。いびきをかくことと、鼻の孔の狭さのご相談があり、避妊手術とともに狭窄拡張手術を行う事になりました。鼻の手術は、両方の鼻の孔をくさび形に切開切除し縫い合わせるという方法です。
わかりにくいかもしれませんが、鼻の孔が広がりました。これでも呼吸が悪化してしまうときは、軟口蓋の手術なども必要になる事があります。繰り返しますが短頭種症候群は進行性で、重度になってからの処置だと手術しても効果が下がってしまうことがわかっています。若いうちからぜひご相談ください。